2020年には、訪問看護を必要とする人の数が100万人の大台を突破すると日本看護協会の推計で見込まれている。この訪問看護の重要に対応するには、訪問看護ステーションが新卒者の訪問看護師を確保すること必要がある。

これまで一般的には、病院で看護師としての経験を積んでから訪問看護師へと転職するという認識があった。しかし採用側の訪問看護ステーションとしては、看護師の転職組を待っているだけでは需要に対して訪問看護師の数が賄いきれないのが現状だ。
そのため訪問看護ステーションは、新卒者を受け入れてて指導にあたっている。そして新卒者に人気のある職場を確立することで戦力になってもらうと言う考え方にシフトしつつある。

訪問する利用者の居宅へは、訪問看護師として独り立ちできるようになるまでは、先輩看護師が同行して指導を行う。訪問看護師のスキルアップを後押しするため、病院との連携で外部研修の機会も積極的に作っている。
訪問看護領域の職場は、管理者として訪問看護ステーションの経営に係るキャリアへの道や、地域看護専門看護師や訪問看護認定看護師といったエキスパートとしてのキャリアの道も開かれている。そして希望や適性などにより、訪問看護師として活躍の場を広げることが可能な職場でもある。

訪問看護の責任は重大だ。それは、基本的に看護師1人で利用する人の居宅を訪問しケアを提供するためだ。
現場で分からないことが発生しても、自分で判断できなければならない。処置をする技術も、必要最低限の準備で行うことが求められる。